外に出るのが怖い!(強迫性障害)

「強迫性障害」というと、手をずっと洗っていたり、鍵をかけたか気になったりすることが知られていますが、カラフルに通っている利用者さん(以下、Aさん。20代前半の男性)は、自宅から外に出ることが怖いという特性があります。

引きこもりという訳ではなく、本当に出る事が難しいのです。


朝、「外に出るのが怖くて行けない~!!」とAさんから電話がかかってきます。



当初は「外に出られないというのは口実で、カラフルに来るのが嫌なのかな?」と思っていました。

Aさんの本当の気持ち

後日、Aさんのお母様とお話する機会がありました。
お母様より、「本人は、カラフルに行きたくてたまらないのですが、本当に外に出られなくて困っているんです…」と聞きました。




カラフルに行けば、みんなに会う事が出来て楽しいのから行きたくて仕方がないのですが、玄関のドアから外へ出られないのです。

Aさんに尋ねてみました。
「外に出るのが怖いのはどうしてかな?」

Aさんは、「他の人から見られていると思うから…」と教えてくれました。

人の目がとても気になる。
他の人から自分がどう思われているのかと思うとつらくなる。
だから外に出るのが怖い。



Aさんは、過去にいじめの体験があります。
自分には何も落ち度はないのに、見た目や行動をからかわれたことから、また同じことが起こるのではないかと不安で一杯です。

外出しないで、家にいる時は何をしているのか?というと、
Aさんはゲームがとても好きなので、家ではゲームをしていることが多いようです。



ゲームもいいけれども、Aさんはまだ若いので、外の世界を知って欲しいなぁ~と私は思います。

 

人目が気にならなくなるようにするには?

「人目が気になるのであれば、サングラスをかけてみたら?」
とアドバイスしたところ、
「なお怪しまれるからイヤだ~!!」と言われてしまいました。




確かに…。
真夏はいいですが、他の季節はむずかしいですね。


まぁ、世の中には色んな人がいるもので、人間観察が好きな人や、他人の言動にチェックが厳しい意地悪な人もいますが、

大抵の人は自分が思うほど見ていなかったり、何か思ったとしても、よほど常識が無い人でない限り言葉に出して物を言ってきたりしないと思います。

他の利用者さんからは、「人目が気にならないほど、何か打ち込めるものがあればいいのでは?」「人が多いところを避けて行動すればいいのでは?」とアドバイスをもらいました。

はて、Aさんが打ち込めるものは何だろう?
Aさんは、ゲームとタピオカドリンクの話をすると、いつも嬉しそうです。


授業で「タピオカドリンク」の調理実習は難しそうです…。
皆でお店へ飲みに行こう!ということは出来るかもしれませんが、お小遣い事情が人それぞれなので行くことができない人が出てくる可能性があります。

残るはゲームです。
最近、新しいゲーム(東京2020オリンピック公式ゲーム)を買ったと聞きました。



Aさんがリーダーになって「ゲームを使ったコミュニケーションの授業」をしてみるといいのでは?
ということになり、授業をすることになりました。

授業は緊張した!


授業をするにあたってAさん一人では心細いので、ゲームに詳しい利用者さんと一緒に授業の準備を進めていきました。

ゲームにはたくさんの種目のがあり、Aさんはゲーム初心者の人でも楽しめるのは何かなぁ~と考えました。

「陸上・水泳・ビーチバレー・サッカー」ならみんなが楽しめると思うと教えてくれて、その4種目で授業をすることになりました。

授業当日は、中日新聞さんが取材に来て下さいました。



いつもと雰囲気が違うので、Aさんもみんなも少し緊張ぎみです。

でもゲームが始まるとみんな楽しくなっていつものように戻っていました。

ゲームの後、Aさんは記者さんから取材を受けました。
「大丈夫かな?」と思いましたが、私の心配をよそに、ずっと笑顔で楽しそうに質問にハキハキと答えていました。

取材の後、Aさんに感想を聞いたところ「とっても緊張した~!!」と話してましたが、とてもさわやかな笑顔が見られました♪

Aさんは、人目が気にはなりますが、人と接することは好きなのです。

まとめ


Aさんの笑顔を見て、好きな事や集中出来る事が増えれば、人目が気になることも少なくなるのではないかなと思いました。

Aさんはまだ20代と若く、経験値が少ないので、カラフルでもっと色んな体験(五感を使った体験)をして、「他の人って自分が思っているほど自分のことを見ていないなぁ~」ということが実感できるようになるといいなと思います。