頑張り屋さんな利用者さんが卒業しました。

英語の勉強が大好きな頑張り屋さんな利用者さん(以下、Aさん)が卒業しました。

卒業後は福祉作業所に通所されます。

 

Aさんについて

Aさんは身体障害(脳性麻痺による移動機能障害)の他に知的障害があり、カラフルに当初は車椅子で通われていました。

Aさんは短大卒業後、福祉作業所に通われていましたが、作業内容が自分と合わなかったことから退所されて、次に通うところを検討されていました。

カラフルを見学に来られ、雰囲気がとても気に入られて「ここに毎日通いたい!!」と強く希望され、カラフルに通うことになりました。

私が最初にAさんにカラフルで会った時から車椅子だったので、車椅子が無いと生活が困難な方なのだと思っていました。

ですが、カラフルに来られて1年を過ぎるころ、自宅では車椅子を使っていないとのこと。
椅子や机に手を置いたり、壁に手をついたりして、ゆっくりですが移動することが出来ているとのことで、
「カラフルでも車椅子無しで移動を頑張ってみよう!」
ということになりました。

Aさんがカラフルの教室の中で、何の補助も無しで、本当にゆっくりですが自力で歩いている姿を初めて見た時は
「Aさん、すごーい!!」とめちゃくちゃ感動したのを覚えています(^o^)/

自宅と教室では、家具の配置やカーペットの状況が違うこともあり、時々、バランスを崩して「ごろん」と尻もちをついて転んでしまうことがありましたが、そういう時はAさんの体調が優れない時や薬の副作用でふらつきがある時でした。

Aさんの素敵なところ

Aさんはオーストラリアにホームステイの経験があり、そこで出会った現地の素敵な女性の先生の優しさに触れ、オーストラリアと英語が大好きになったことをいつも楽しそうに話をしてくれました。

将来は、仕事をして貯めたお金でオーストラリアへまた行きたいとも話していました。
私は、オーストラリアはまだ行ったこがありませんが、是非行ってみたいなぁと思いました。

冬になると、先生からプレゼントでもらった素敵な色のマフラーをいつも大切に身に着けていました。

カラフルの朝礼時、朗読の時間があるのですが、Aさんは朗読がとても上手でした。
文章の中で強弱をつけたり、話し言葉の時には、その人になったつもりで感情を込めて読んでいました。
心を込めていつも読んでくれたので、その朗読の時間は「もっと聴いていたいなぁ~」といつも思っていました。

また、英語が好きなので、カラフルの英語の授業には積極的に参加され、英会話の先生と楽しく会話をしていることが多くありました。

参加するのが最後になる英語の授業の時には、先生宛に英語で感謝の手紙を書いて渡して、先生がとても喜んでいたと同時に寂しいことをAさんに話していました。

英会話だけではなく、英語の歴史についても勉強されていて、一度勉強している本を見せてもらいましたが、とても難しい内容でした。この分野を究めていけば学者になれるのでは?と本当に思いました。

 

Aさんの抱えている不安

Aさんは、オーストラリアに行きたいことや英語の勉強を頑張りたいと前向きなところとは反対に常に不安を抱えているところもありました。

不安の内容は今後の生活のことでした。

自分の頭の中で色んなことを考えてしまい、不安が大きくなると授業中でも「どうしよう~」と言葉が出てくることがありました。

スタッフや利用者さんが「Aさん、大丈夫だよ~」「そういうことは起こらないよ~」と話をして、落ち着くこともありましたが、どうしても無理な時は別の部屋に移動してスタッフがAさんの不安に思っていることを聞くことでAさんの不安を和らげていました。

卒業の日

Aさんは、カラフル卒業の日の終礼時には、自分がカラフルに来て学ぶことが多く良かったことを話していました。最後にみんなと記念写真を撮ってさよならをしました。

Aさんは感受性が高く、私が普段気付かない自然の美しさや人の心のことを教えてくれて、私自身とても学ばせてもらうことが多くありました。

Aさんは、人を思いやることが出来たり、優しい心がある素敵な方です。

くれぐれも体に気を付けて、夢を叶えて欲しいなと思います。

Aさん有難う。
いつでも遊びに来てね。