「うつ」はどこへ行った?

私が担当している利用者さん(以下、Aさん)のことです。
Aさんは「うつ」の症状があり、生活訓練を利用するため、カラフルに来られました。

彼がカラフルに初めて来たとき、体は驚くほどガリガリな細い少年でした。



引きこもり生活が数か月間続き、家族以外の人と会うのは久々なようで、ガタガタと震えていました。

他の利用者さんがいる教室の中には入れず、別室から朝礼の様子を見学する日々が続きました。
私が隣に座って色々話しかけると、やっと聞こえるかすかな声で話してくれていました。

Aさんは、一つ独特なクセがありました。
緊張でストレスを感じると、首が抜けて飛んでいってしまうのではないかと思うほど、首を思いっきり左右に揺らして「ボキボキッ!、ボキボキッ!」と音が出るまで揺らすのです。

指を「ポキポキ」と鳴らす人はいましたが、首は初めてだったので、利用者さんもスタッフも「何の音!?」と驚いてビックリです。
(※首を痛めるので、 真似しないでくださいね!


関節を鳴らすとスッキリしたような気分になると思いますが、これは間違いですよ~!詳しくはググって調べてみてくださいね!)

Aさんは、「これをしないと気持ちが悪いから…」と話していました。

次第にお互いに慣れて「あ~、またクセが出ているなぁ~」と思うようになりました。

「うつ」になったきっかけ

Aさんは、高校卒業後に運輸関係の会社に就職しました。
男性が多い会社で、上下関係が厳しかったり、言葉遣いがキツイところだったようです。



仕事内容は問題が無かったのですが、次第に会社に行けなくなり退職しました。
以降、自宅から外に出るのが怖くなってしまったそうです。

「うつ」はどこへ?

現在のAさんといえば、自宅からカラフルまで自転車で来ることが出来る体力がつき、元気になって食欲が湧いてきて「ちょい太」になりました(^_^;)

「運動しなくちゃいけないなぁ~」が口癖で、食事量を減らす気は無いとのことでした…。

「うつ」になった時は、食欲が本当になくて、毎日食べなくても大丈夫だったのが不思議だったと話してくれました。
「食べることは生きる事」だよね。でも、お菓子は少し控えようね~。




また、お医者さんからの承諾を得て、土日だけアルバイトも始めました。

人と接するのは苦手とのことで、飲食店で裏方(仕込み)のお仕事です。
障害はクローズにしていますが、店長さんや従業員の方が理解のある親切な方ばかりで人間関係でのストレスは無いとのことでした。

Aさんは、人と会話をする時は低姿勢でとても丁寧な対応をします。

周りの方もそんなAさんを見てくれているのだと思います。

ただ「アルバイトの日が土日ということもあって、めちゃくちゃ忙しい!!」とのことで、月曜日はお疲れ気味です。



忙しい職場で、一日で辞めてしまう人もいると聞きました。
そんな中、モクモクと働くAさんはすごいなぁと思います。

当初は裏方のみでしたが、慣れてきた頃、店長さんからお客さんにお水を出したり、テーブルの後片付けをお願いされるようになり、「緊張したけれど、やってみたらちゃんと出来た!」と嬉しそうで、時給もアップしたと教えてくれました。


首を鳴らすクセは不思議なことに現在は滅多に見られなくなりました(ごくたま~に見かけます)。
その当時は、今では考えられないほどのストレスがかかっていたのだと思います。

本来のAさん

もともとAさんは友達も多く、明るくて思いやりのある方だったようです。
自宅でも家事の手伝いを進んでしていることをご両親からお聞きしました。

初めての職場が、厳しい職場環境だった為に、強いストレスがかかり「うつ」になってしまいましたが、カラフルに来て、生活習慣のリズムをつけたり、みんなと色んな体験や学びをすることで本来の自分を取り戻したのだと思います。

 

元気になった要因

最初のAさんは、他の利用者さんとあまり関わらず一人でいることが多かったのですが、調理実習やバーベキューのイベントの時に本領発揮です☆



テキパキと野菜を切ったり、みんなが敬遠するような重たい荷物を進んで運んだりしてくれました。
「Aさん、すご~い!!」とみんなから関心されて、徐々にみんなとコミュニケーションをとるようになりました。

 

一人ではむずかしい

病院の通院と自宅療養で「うつ」が改善する例もあると思いますが、Aさんのご両親は共働きで兄弟も働いているため、日中は一人になってしまいます。

Aさんは暇さえあれば、ず~っと寝ていられると話していました。
「うつ」の症状がある方は「過眠症」になる割合が高いようです。


どれだけ寝てもスッキリしません。これでは昼夜逆転の生活になってしまいます。

Aさんは、カラフルに来る事で、生活リズムを次第に整えていったことが「うつ」から回復した要因になったと思います。

Aさんは、アルバイト先では頼りにされるようになるほど成長しましたが、この仕事をずっと続けていくつもりはないとのこと。
正社員で永く勤められるところで働きたいとの想いがあります。

障害者枠で正社員で働くには、障害者手帳が必須です。
Aさんは、まだ手帳を持っていなかったので、主治医に相談して診断書を書いてもらったそうですが、最初に診断した頃に比べると、とても元気になって回復してきているので手帳が交付されるかどうか分からないと言われたとのこと。
不安な一カ月を過ごしましたが、先月手帳の交付を受けることが出来ました。

Aさんは自分にあった求人がないかハローワークやネットで探しています。

金沢市内で清掃業務(出来れば自動車関連の清掃だと嬉しいです!)の求人がありましたら、是非お知らせください。

就職もうまくいくようこのままサポートしたいと思います。